~反抗期、バンザイ?~
反抗期について
反抗期が来たら怖い!と、漠然と思っているお母さん、多いのではないでしょうか?
教育相談では、
“反抗期について”というご相談よりも、
“発達の偏りが心配。反抗期を迎える前に相談したい”という主訴が多い気がします。
反抗期真っ只中のときって、意外と相談少ないかも。。。
(もちろん、継続的にお会いしている子が思春期に差し掛かり、反抗期について話題になることはありますが・・)
今回は、反抗期について少し考えてみようと思います。
書籍紹介
今日ご紹介するのはこの本
子供にクソババアと言われたら
衝撃のタイトル(笑)
私もまだ未就学の娘がいますが、言われたらどうするかな・・・
キタキタ反抗期―!!と逆に笑ってしまうかも。
反抗期とは
今回ご紹介した本によると、反抗期とは、“親の力と子どもの力の大きさをグラフにした時の交点”なんだそう。
子供が小さい時は、親の力の方が圧倒的に強い。子供が育つにつれて、子供の力が育っていき、親の方は年を取って行きますから、どこかで親を抜かしていくことになります。
子どもが成長することによって、交点ができていくのが自然なことで、子育ての成功の証であるとのこと。
反抗期は、自立(自分で考えて、自分で行動、責任を取る)ことができるようになってきた証拠。
反抗期を迎えて、うまくその先に進むことが、子育ての目標であり、ゴールなんだとか。
反抗期=子育ての成功の証
そう考えると、反抗期が来るのが少し嬉しくなるかも?
教育相談で出会う反抗期
教育相談で「反抗期だから相談したい」にあまり出会わない理由もそこにあるのかもしれません。
反抗期をきちんと迎えられているご家庭は、多くの場合、親も子も健康度が高いのです。
たまに相談に来ても、お話を聞いている中で、お母さん自身がなんとなく落としどころを見つけて帰っていくので、継続的な相談に繋がらないことが多い気がします。
もちろんその場ではお母さんもイライラ募り、半ば愚痴のようにわーっと子供のことをお話されるのですが、最終的に、「まぁしょうがないんですけどねー」と笑顔で言える余裕?のようなものが感じられることが多いです。
苦しいし、腹が立つけど、受け止める余裕も多少ある、という状態なのかなと。
子どもとお会いする場合にも、
「なんかイライラするんだよねー。反抗期来ちゃったかなー。親の言ってることはわかるんだけど、なんか腹立つんだよねー」
なんて、大人びたことを言いながら、数回の相談で親との話し合いがスムーズに行くようになり、相談が終了するケースが多いです。
反抗が嬉しいケースもある
鬱っぽい状態で、エネルギーが著しく落ちているお子さん(不登校で部屋から出れないなど)の場合、逆に、「反抗期が来た!!よかった!!」とお母さんと一緒に喜ぶケースもあります。
エネルギーが戻ってきた証拠、自分で考えて自分の意見を言えるようになった証拠だからです。
反抗期を迎えられるって、実は素晴らしいことなんですよね。
・親も子も健康である
⇒健康でないと、反発する元気もない
・反抗できる親子関係がきちんと出来ていること
⇒言ってもしょうがない、と諦められてしまっていたら、反抗もしない
・自分の考えや自分の思いをきちんと感じられる子に育っていること
⇒考える・感じる力がなければ、ただただ混乱して、反抗というよりパニックに近い状態になる
・親に子供の気持ちと向き合う余裕があること
⇒親がフラフラの状態、今にも倒れそうだったら、子供は反抗どころじゃない
少なくとも、この条件がきちんとそろっていないと、反抗期は来ないんです。
反抗期が迎えられたら、お赤飯炊かなきゃ!ってくらいめでたいことかも?(笑)
こなければいけないわけじゃない
こう言うと、反抗期が来てないけど大丈夫?と思われる方もいるかもしれませんが、
反抗期=「クソババア!!」「ふざけんな!」「うるさい!」ではありません。(笑)
しずかーな、おだかやかーな反抗期もあります。
ひたすらに黙ることで反抗する子もいますし、自分なりに行動すること、自分の意思を貫くことで反抗することもあります。
自分の意思を貫いて、頑張っている姿は、反抗期!という感じじゃないかもしれませんし、親にとって望ましい姿なのかもしれませんが、親の意見ではなく自分の意思を貫く、自分の意思で行動する、という点では、立派に反抗しているのです。
反抗期=親とは違った人間であることを自覚し、自分の意思で行動し始めるとき
ということになるでしょうか。
そういう意味で反抗期を考えると、「クソババア!」と言われなくても立派な反抗期なわけです。
できれば自分の子供には穏やかな反抗期であってほしい・・・
と思うが、それは子供のタイプによるからなぁ・・・うちの子の反抗期はどちらかというと、激しそうです。。。今から体力を温存しとかなくては。。。
危険な反抗期
親にも子にもある程度の余裕がある状態(イライラするし、愚痴は言いたくなるけど、愚痴を言えばある程度スッキリする。普通に話せる時もある)の反抗期は、自然なことで、子育ての成功の証、というお話でした。
が、危険な反抗期があるのも事実。以下のような場合は、是非学校や、教育相談施設、カウンセリングルーム、病院、児童相談所にご相談をして欲しいと思います。
・自分に余裕がないと感じる。
⇒体調が悪いことが多く、日常生活に支障が出ている
・暴力がある。暴力を振るってしまう。
⇒怖いと思ったらすぐ警察を呼んでください。もしくは児童相談所にご相談を。
※警察を呼んだらすぐ逮捕される!補導歴になる!児童相談所に電話したらすぐに保護されてしまう!子供を取られてしまう! などというのは誤解であることが多いです。
警察も児童相談所も、結構丁寧にお話を聞いてくれ、どうするのがこの親子にとって一番いいか、という視点で考えてくれることが多いです。
子供に「イライラしても暴力はいけない」ということをきちんと冷静に教えてくれたり、親のほうが一息おいて冷静になれるようサポートしてくれたりします。
・ネットやゲーム依存などにより、反抗というよりパニックに近い形(自分でコントロールできていない様子)で暴言などを繰り返す場合
⇒反抗というより、依存症の症状としての行動である場合があります。日常生活がきちんとできているかを学校や周囲の人に確認し、日常生活にも支障が出ている場合は専門機関の受診も視野に入れてもいいかもしれません。
あとがき
とても印象的なタイトルの本に出会ったのでご紹介しました。
“反抗期”というと、イライラと悲しみのオンパレード、壮絶な日々・・・というイメージかもしれませんが、実は子育ての成功の証なんですね。
すてきな反抗期を迎え、立派な大人になって欲しい!
果たして我が子が反抗期を迎えたとき、“よくぞきました反抗期!”と言えるかどうか・・・
私自身の数年後も少し楽しみになりました。